応急手当の方法(心肺蘇生・AEDの使用法)
勇気をもって応急手当
緊急事態に遭遇したときに適切な応急手当ができるように、日頃から応急手当を学び、身につけておきましょう。

応急手当の基礎知識

私たちはいつどこで突然のけがや病気に襲われるか分かりません。
急に意識を失ったり、けがで大出血したり、のどに食べ物が詰まったり・・・。
けがや病気の中で最も緊急を要するものは、心臓や呼吸が止まってしまった場合です。急性心筋梗塞や脳卒中などは、何の前触れもなく起こることがあり、心臓と呼吸が突然止まってしまうこともあります。
このような人の命を救うために、そばに居合わせた人が早期に応急手当(救命処置)を行うことで、「命が助かる可能性」が高くなります。

救命の可能性と時間経過

心臓や呼吸が止まった人の命が助かる可能性は、時間とともに低下しますが、救急車が到着するまでの間、そばに居合わせた人が応急手当を行うことにより、救命の可能性が高くなります。
救急車が到着するまでには全国平均で約9分かかります。救急車が来るまでに手をこまねいていては、助かる命も助けられないことになります。
そばに居合わせた皆さんが救命処置を行えるよう、心肺蘇生法やAEDの使用法を身に付けておくことが大切です。

上図グラフ「救急蘇生法の指針2020」より引用

 

《新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた心肺蘇生法について》

新型コロナウイルス感染症が流行している状況も、人の命を救うため、感染防止に努めながら心肺蘇生法を実施して頂けるよう、令和2年5月、厚生労働省から示された「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた市民による救急蘇生法について(指針)」の内容をもとに注意点をお伝えします。

※注意点は、下記リンクをご覧ください。

新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた心肺蘇生法について(?クリックするとリンク先に移動します)

 

※反応の確認、呼吸の確認、胸骨圧迫や人工呼吸などの実施方法については、下記の心肺蘇生の手順<<AEDの使用法>>をご覧ください。

 

心肺蘇生の手順 ≪AEDの使用法≫

1肩をたたきながら声をかけ反応(意識)を見る

傷病者の耳もとで「もしもし」または「大丈夫ですか」と大声で呼びかけながらやさしく肩をたたき、反応(意識)があるかないかを見ます。呼びかけなどに対して目を開けるか、何らかの返答または目的のあるしぐさがなければ「反応なし」と判断します。けいれんのような全身がひきつるような動きは「反応なし」と判断します。反応があれば、訴えを聞き、必要な応急手当を行います。

2反応がなかったら、大声で助けを求め、119番通報とAED搬送を依頼

助けを求め、協力者が来たら、「あなたは119番へ通報をしてください」「あなたはAEDを持ってきてください」と具体的に依頼します。
救助者が一人の場合や、協力者が誰もいない場合には、まず自分で119番通報をしてください。
119番通報をすれば通信指令員があなたや応援に来てくれた人が行うべきことを指導してくれます。
その際、両手を自由に使える状態にすれば、指導を受けながら処置を行うことができるので、電話のスピーカー機能などを活用しましょう。
すぐ近くにAEDがあることが分かっている場合にはAEDを取りに行ってください。

3呼吸を確認する

傷病者が「普段どおりの呼吸」をしているかどうかを確認します。傷病者のそばに座り、10秒以内で傷病者の胸や腹部の上り下がりを見て、「普段どおりの呼吸」をしているか判断します。
次のいずれかの場合には、「普段通りの呼吸なし」と判断します。

  • 胸や腹部の動きがない場合
  • 10秒間確認しても、呼吸の状態がよくわからない場合
  • しゃくりあげるような、途切れ途切れに起きる呼吸がみられる場合

4普段通りの呼吸がなかったら、すぐに胸骨圧迫を30回行う

傷病者に「普段通りの呼吸」がないと判断したら、ただちに胸骨圧迫を開始します。胸の真ん中を、重ねた両手で「強く、速く、絶え間なく」圧迫します。

  • 胸の真ん中に片方の手の付け根を置きます
  • もう片方の手をその手の上に重ねます。両手の指をお互いに組むと、圧迫する点により力が集中します
  • 肘をまっすぐに伸ばして手の付け根の部分に体重をかけ、傷病者の胸が約5cm(単3電池1本分の長さ)沈むほど強く圧迫します
  • 1分間に100~120回の速いテンポで30回連続して絶え間なく圧迫します
  • 圧迫と圧迫の間(圧迫を緩める時)は、胸がしっかり戻るまで十分に力を抜きます
  • 小児の場合は、両手または片手で、胸の厚さの約1/3が沈むほど強く圧迫します

5胸骨圧迫の後、人工呼吸を2回行う

講習を受け人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、胸骨圧迫に人工呼吸を組み合わせます。

30回の胸骨圧迫終了後、口対口人工呼吸により息を吹き込みます。

(1)気道確保(頭部後屈あご先拳上法)

  • 傷病者の喉の奥を広げて空気を肺に通しやすくします。
  • 片手を額に当てて、もう片方の手の人差し指と中指の2本をあご先(骨のある硬い部分)に当てて、頭を後ろに のけぞらせ、あご先を上げます。

(2)人工呼吸

  • 気道を確保したまま、額に当てた手の親指と人差し指で倒れている人の鼻をつまみます。
  • 口を大きく開けて傷病者の口を覆い、空気が漏れないようにして、息を約1秒かけて吹き込み、傷病者の胸が持ち上がるのを確認します。
  • いったん口を離し、同じ要領でもう1回吹き込みます。

(注意)

  • 2回の吹き込みで、胸が上がるのが理想ですが、胸が上がらない場合でも、吹き込みは2回までとし、すぐに胸骨圧迫に進みます。
  • 人工呼吸をしている間は胸骨圧迫が中断しますが、中断時間はできるだけ短くなるようにしてください。
  • 傷病者の顔面や口から出血している場合や、口と口を直接接触させて人工呼吸を行うことがためらわれる場合には、人工呼吸を省略し、胸骨圧迫のみを続けます。

6心肺蘇生(胸骨圧迫と人工呼吸)の継続


胸骨圧迫を30回連続して行った後に、人工呼吸を2回行います。胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ(30:2のサイクル)を、救急隊に引き継ぐまで絶え間なく続けます。

  • 胸骨圧迫を続けるのは疲れるので、もし救助者が2人以上いる場合は、1~2分間程度を目安に、胸骨圧迫の役割を交代しましょう。
  • 心肺蘇生を中止するのは次の場合です。
    ■救急隊に引き継いだとき
    ■心肺蘇生を続けているうちに傷病者が目を開けたり、「普段どおりの呼吸」をし始めた場合

7回復体位

反応はないが普段どおりの呼吸をしている場合は、気道確保を続けます。吐物などによる窒息の危険があるか、やむを得ず傷病者のそばを離れるときには、横向きに寝かせます。このような姿勢を回復体位といいます。

AEDの使用法

8AEDが到着したら・・・倒れている人の近くに置き、電源を入れる


心肺蘇生を行っている途中で、AEDが到着したらすぐにAEDを使う準備を始めます。
AEDは数種類ありますが、どの機種も同じ手順で使えるように設計されています。
電源が入ると音声メッセージと点滅ランプで、あなたが実施すべきことを指示してくれますので、落ち着いてそれに従ってください。
(ふたを開けると電源が自動で入る機種もあります。)可能であれば、AEDの準備中も心肺蘇生を続けてください。

9電極パッドを胸に貼る


傷病者の衣服を取り除き、胸をはだけます。
電極パッドの袋を開封し、電極パッドをシールからはがし、粘着面を倒れている人の胸にしっかりと貼り付けます。
(電極パッドに張り付ける位置が描かれていますので、その通りに張り付けます。)
電極パッドのケーブルをAED本体の差込口に差し込みます。(機種によってはすでに差し込まれているものもあります。)

(注 意)

  • 電極パッドは、肌との間にすき間を作らないように、しっかりと貼り付けます。
  • 傷病者の胸が濡れている場合は、乾いた布やタオルで胸を拭いてから電極パッドを貼り付けます。
  • 電極パッドを貼り付ける位置に貼り薬がある場合には、貼り薬をはがして薬剤を拭き取ってから電極パッドを貼り付けます。
  • 医療器具が胸に埋め込まれている場合、胸に硬いこぶのような出っ張りがあります。電極パッドはこの出っ張りを避けて張り付けてください。
  • 小学生~大人用(成人用)と未就学児用(小児用)の2種類の電極パッドが入っている場合や、AED本体に小学生~大人用(成人用)モードと未就学児用(小児用)モードの切り替えがある機種があります。

その場合、小学生以上には小学生~大人用(成人用)の電極パッド(小学生~大人用モード)を使用し、未就学児には未就学児用(小児用)の電極パッド(未就学児用モード)を使 用してください。

10電気ショックの必要性は、AEDが判断する

電極パッドを貼りつけると、「体に触れないでください」などの音声メッセージが流れ、自動的に心電図の解析が始まります。
この時、「みなさん、離れて」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認します。
「ショックは不要です。」等の音声メッセージが流れた場合は、ただちに胸骨圧迫を再開します。

11ショックボタンを押す


AEDがショックを加える必要があると判断すると「ショックが必要です」などの音声メッセージが流れ、自動的に充電が始まります。
充電が完了すると、「ショックボタンを押してください」などの音声メッセージが流れ、ショックボタンが点灯し、連続音が出ます。
付近の人に「ショックを行います。離れてください。」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認し、ショックボタンを押します。
※オートショックAED
 電気ショックが必要な場合に、ショックボタンを押さなくても自動的に電気が流れるAEDの機種もあります。
 傷病者から離れるように音声メッセージが流れ、カウントダウンまたはブザーの後に自動的に電気ショックが行われます。
 この場合も安全のために、音声メッセージなどに従って傷病者から離れる必要があります。
オートショックAEDには、どのような機種でも、上図のようなロゴマークが表示されています。

12心肺蘇生の再開

電気ショックが完了すると、「ただちに胸骨圧迫を開始してください」などの音声メッセージが流れますので、これに従って、ただちに胸骨圧迫を再開します。
心肺蘇生を再開して2分ほど経ったら、再びAEDが自動的に心電図の解析を行います。音声メッセージに従って傷病者から手を離し、周りの人も傷病者から離れます。
以後、心電図解析⇒電気ショック⇒心肺蘇生の再開の手順を、約2分間おきに繰り返します。

心肺蘇生のまとめ

倒れている人を発見 呼びかけて反応がなければ、近くの人に119番通報とAEDの搬送を依頼し、気道確保せずに呼吸の確認(胸と腹部の動きを見る)
心肺蘇生 普段どおりの呼吸がなければ、胸骨圧迫30回
胸骨圧迫が終わったら、気道確保と人工呼吸2回(その後は、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回繰り返し行う)
AED到着 AEDが到着したら、まず電源を入れ、電極パッドを胸に貼る
電気ショックの必要性は、AEDが判断する
電気ショックが必要と判断されたら、誰も傷病者に触れていないことを確認してからショックボタンを押す
以後は、AEDのメッセージに従います

胸骨圧迫と人工呼吸のまとめ

胸骨圧迫
圧迫位置 胸骨の下半分(目安は胸の真ん中)
圧迫方法 両手を重ねて(体型によっては片手)
圧迫の深さ 約5cm沈むほど(深さは体格に合わせる。目安は小児は胸の3分の1、小学校高学年ぐらいの体格なら5cm)
テンポ 100~120回/分
人工呼吸
吹き込み量 胸の上りが見える程度
吹き込み時間 約1秒
回数 2回(胸が上がらなくても吹き込みは2回までとする)

胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせは 30:2

 

【AEDの設置場所について】(本文・写真引用:「改訂6版 救急蘇生法の指針2020 市民用」)

緊急事態に備えて、ご自身の職場や通勤途上のどこにAEDがあるかを普段から把握しておきましょう。設置場所がわかる全国AEDマップとして、厚生労働省が登録を呼びかけている日本救急医療財団のほか、日本AED財団などでも公開されています。いざというときに備えて事前にAEDマップを確認して、身近にあるAEDを知っておくとよいでしょう。

?下記のリンク先のサイトでAEDマップを見ることができます。

日本救急医療財団全国AEDマップ

日本AED財団AEDN@VI

 

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